とにかく好きなんだよ。
『はねバド!』とは
『はねバド!』
講談社より刊行されている漫画雑誌『good!アフタヌーン』にて、2013年6月7日発売の第32号より連載開始した。作者の濱田が『週刊少年ジャンプ』にて連載していた前作『パジャマな彼女。』と同一の世界観の物語であり、同作のキャラクターが本作にも登場する。 2018年にはアニメ版も放映された。
あらすじ
母校である県立北小町高校バドミントン部のコーチになった立花健太郎(たちばな・けんたろう)。部員数が足りず団体戦にも出られない部を立て直せないかと悩む中、校庭の大木を難なく駆け上る運動神経抜群の少女・羽咲綾乃(はねさき・あやの)を見つけ、なんとか勧誘しようとする。だが彼女はなんと……バドミントンが嫌いだった! 目指せ100倍青春、バドミントン部ストーリー開幕!
さぞかし爽快な作風なんだろうなぁ。100倍青春!
大胆な作風変化
『はねバド!』を語る上で、まず最初に欠かせないのが、作風の変化。少なからず話題になった過去のある点なので、承知の人も多いでしょう。


左の快活なお嬢さんは、北小町高校バドミントン部の羽咲綾乃ちゃん。
右に映る強面の淑女は、陸軍特殊羽球部隊の羽咲綾乃さん。
羽咲綾乃ちゃん!
綾乃さん...
What?
Yes, ma'am!
そう、ストーリーが進む毎に、作者本来の画力が遺憾無く発揮されていくのです。
魅力的なキャラクター
全国の頂を目指すに当たり、個性豊かなライバル達が立ち塞がります。
海外の代表選手。イキりたいお年頃。
Q.Youは何しに日本へ?
A.あなたに会う為に日本まで来たんだもん←かわいいね。
強豪校の頼れるキャプテン(一番好き)。
登場人物みんな可愛い、そして根が良い子ばかり。
周囲からの重い期待、家族との確執etc...色々な問題を抱えていますが、試合を中心とした他者とのやりとりの中でめっちゃ成長します。みんな偉い!
その際のキャラの表情や心情の魅せ方も上手く、清々しい気持ちで成長を見届けられること間違い無し。
また、緊迫した雰囲気の中で繰り広げられるキャラ同士のコメディカルな掛け合いも魅力の一つ。
小気味いい会話劇の中で、強敵達の高校生らしい一面が引き出されていく様は、軽く悶え死ねますね。
臨場感溢れる試合
スポーツ漫画に欠かせない物と言えば、熱量みなぎる試合描写。
グワッと来る。溢れる技量がここぞとばかりに押し出されています。
作者の濵田浩輔先生は、ロンドンオリンピックでバドミントン の試合を見た際、このスピード感を漫画にしたら面白そうだと感じた事からはねバド!を生み出されたそう。
画に限らず、試合中の駆け引きや心理描写からも目が離せません。
青春模様
幼い頃から壁に当たったことがなく、天才と評され続けてきた全国覇者。部員はもちろん監督にまで頼られるキャプテン。周囲の評価で象られた虚像の自分と本当の自分の差に苦しむエース。
全員に等身大の青春(物語)がある。
カチッ(ポエマースイッチが入った音
ポエマー「当然のことながら、全ての青春が頂に通じているわけではありません。概ね敗北の二文字を前に事切れます。しかし、本作にとっての敗北は、終止符ではなく、新たな道標として位置付けられています。敗北を受け、皆が新たな一歩を踏み出すのです。試合に敗北したという一側面だけで、彼女達のこれまでとこれからは否定されません。」
こういうのでいいんですよ。
バドミントンを題材とした作品ではあるが、バドミントンが全てではない。
勝ち負けに関係なく、バドミントンを通して得た経験が、彼女達の人生における糧となり活きていきます。
ここで、古来より語り受け継がれてきた偉大な法則を紹介していいですか?いいよ。
●キャラクター1人1人の物語を断続的ではなく、継続的な事象として表現出来る作品は名作。
あと、友情表現も良い。何がって、距離感が素晴らしい。
予てより私は、「豚に真珠、邪悪な百合豚に女の友情」と説いてきました。
しかし、ミスター邪悪な百合豚と悪名高い私ですら認めざるを得ない程、女子同士の濃い絡みが友情の範疇で巧みに表現されています。
不思議と百合臭がしない。なのに尊い。シンプルな友情関係の魅力に気が付かされました。
たまには、こういうのもいいですね。
でもやっぱり百合ではおじさん「でもやっぱり百合では?」
最後に
詰まる所、女子高生は素晴らしいと言う結論に収斂します。
◦個性豊かなキャラクター達
◦躍動感溢れる試合描写
◦青春に対する向き合い方
この記事を執筆した時点で、物語は終盤に差し掛かっていますが(おそらく)、まだまだ作品としての可能性の広がりを感じます。続きが待ち遠しくて仕方ないです。
特に、闇が深まったり深まらなかったりする羽咲綾乃ちゃんの行く末がもう心配で心配で。あやのんどうなるのん!?